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「コンピューターおばあちゃん」の旧映像には、女性の胸や下着姿などの写真が約0.1秒ずつ映り込んでいました。ただし、視聴者を操るサブリミナル効果を狙ったものだとNHKが認めた事実はありません。NHKは2010年に該当部分を手直しし、以後は修正版を使用しています。
問題になった映像には何が映っていた?
「コンピューターおばあちゃん」は、1981年12月からNHK「みんなのうた」で放送された楽曲です。作詞・作曲は伊藤良一さん、補作曲・編曲・プロデュースは坂本龍一さん、歌は酒井司優子さんが担当しました。
問題が明らかになったのは2010年です。2004年に発売されたDVDを見た購入者から指摘があり、NHKが映像を確認しました。
AV Watchが報じたNHKの発表内容によると、風景や人物などの静止画が約15秒間続く場面に、次の写真が含まれていました。
| 確認された写真 | 表示時間 |
|---|---|
| 女性のおしり | 約0.1秒 |
| 女性の胸 | 約0.1秒 |
| 女性の下着姿 | 約0.1秒 |
通常の速度では気づきにくく、コマ送りで確認して初めて分かるほど短い映像です。この「一瞬だけ映る」という特徴から、サブリミナル効果ではないかと疑われるようになりました。
サブリミナル効果を狙った映像だったのか
意図的なサブリミナル表現だったと断定できる根拠は確認されていません。
サブリミナル的表現とは、視聴者が通常は感知できない方法で、特定のメッセージを伝えようとする手法です。現在の日本民間放送連盟の放送基準でも、視聴者が感知できない方法でメッセージを伝える意図のある手法は、放送に適さないと定められています。
今回の映像には短時間の写真が実際に含まれていたものの、次の点は分けて考える必要があります。
- 一瞬だけ写真が表示されていたことは確認されている
- 写真がファミリー向け番組にふさわしくないとNHKが判断した
- 特定の考えや行動を無意識に刷り込む目的があったとは確認されていない
したがって、「短い映像があった」という事実だけで、サブリミナル効果を意図したものと決めつけることはできません。「サブリミナル画像」と呼ばれることはありますが、正確には旧映像に不適切な写真が一瞬含まれていた問題と捉えるのが妥当です。
DVDで実際に確認したときの印象
私も当時のDVDを所有していたため、報道後に問題の場面を確認しました。
報道を見た時点では、人の潜在意識に何かを刷り込むような映像を想像していました。しかし、実際に見ると通常再生では内容を判別しにくく、コマ送りにしてようやく確認できる程度でした。
個人的には、静止画が次々と切り替わる映像演出の一部という印象を受けました。コンピューターを通じて、必要な情報も不要な情報も同時に流れ込んでくる様子を表しているようにも見えます。
もちろん、これは映像を見た私自身の解釈です。制作者がインターネット社会を予見していた、あるいは意図的にサブリミナル効果を使ったと裏付けるものではありません。
なぜNHKは映像を修正したのか
NHKは、作品が制作されてから約30年が経過し、視聴環境や視聴のされ方が変化したことを踏まえ、ファミリー向け番組としてよりふさわしい表現にするため手直しを決めました。
当時の発表では、すでにDVDの販売は終了していましたが、該当する第7集の購入者には販売会社を通じて修正版を送り、旧版の返送を依頼するとしています。今後放送する場合にも修正後の映像を使用する方針が示されました。
つまり、修正の理由として公表されたのは、サブリミナル効果による危険性ではありません。子どもを含む家族が見る番組に、女性の胸や下着姿などの写真が含まれていることを不適切と判断したためです。
現在見られる映像にも問題の写真はある?
NHKは2010年の時点で、以後の放送には手直しした映像を使うと説明しています。そのため、再放送などで使用される修正版に、問題となった旧映像の写真は含まれていません。
2025年には、複数のクリエイターが映像を再解釈した令和版の新アニメーションMVも公開されました。こちらは1981年の旧映像をそのまま再利用したものではなく、新しく制作された別の映像です。
コンピューターおばあちゃんの騒動を整理
- 旧映像には女性の胸や下着姿などの写真が約0.1秒ずつ含まれていた
- 2004年発売のDVDを見た人の指摘をきっかけにNHKが確認した
- NHKは2010年に映像の手直しを決定した
- サブリミナル効果を意図した映像だったとは確認されていない
- その後の放送では修正版が使用されている
問題の写真が一瞬映っていたこと自体は事実です。しかし、「視聴者の潜在意識を操作するために仕込まれた」という話には、確認できる根拠がありません。
懐かしい作品をめぐる少し不思議な騒動ですが、事実として確認できるのは、不適切な写真の混入とNHKによる映像修正までです。サブリミナル効果を狙った作品だった、という都市伝説とは切り分けて考える必要があります。

